注意点・正しいやり方を知らずに散骨をすると後でトラブルになりかねません。
人が亡くなると多くはお墓に遺骨が納められます。
散骨はあまり一般的ではないので、知らずに行う人も少なくありません。
散骨と行うときの注意点と正しいやり方についてチェックしておきましょう。
【目次】
散骨にはどんな種類がある?
散骨のことを自然葬ともいいます。
わかりやすくいえば「自然に返してあげる」のが散骨です。
散骨にはやり方や撒く場所によっていくつかの種類があります。
- ・海に撒く(海洋散骨)
- ・遺灰を埋葬する(樹木葬)
- ・宇宙に散骨する(宇宙葬)
- ・山に散骨する(モンブラン葬)
海に撒く(海洋散骨)とは?
散骨のなかでも最も一般的なのが「海に遺灰を撒く」という海洋散骨です。
遺骨を粉末状にしたうえで、散骨をしてくれる業者にたのむことになります。
船に乗って海洋にて散骨する方法と、ヘリコプターで上空から散骨する方法があります。
業者にたのまないで自分で散骨することもできますが、あとで紹介する注意点には気をつけるようにしてください。
遺灰を埋葬する(樹木葬)とは?
埋葬というとお墓に入れる方法が一般的ですが、樹木葬は遺骨を埋めたあとに草木を植えます。
ただし、遺骨をそのまま埋めるのは違法になる可能性があるので注意が必要です。
遺骨を粉末にした状態で土に埋めるのであれば、許可を得ることなく自分で行うことができます(ただし、散骨場所に注意しないとトラブルになります)。
宇宙に散骨する(宇宙葬)とは?
宇宙葬は、名前のとおり宇宙に散骨をする方法です。
衛星ロケットを飛ばして、カプセルに入れた遺灰を宇宙に散骨します。
宇宙葬についてくわしくは「宇宙葬とは?費用はどれくらいかかる?」で解説していますが、価格はおおむね20万円〜となっています。
山に散骨する(ex.モンブラン葬)とは?
山林に散骨する方法は、樹木葬とほぼ同じです。
フランスでは「モンブラン葬」といって、モンブランの山に上空から散骨する方法があります。
日本では島根県の隠岐諸島にある「カズラ島」が日本で初めての散骨所として知られています。
すべての散骨に共通する注意点とは?
散骨にはいくつか種類があることをご紹介しましたが、すべての散骨に共通する注意点があります。
それは「遺骨を粉末化する」ということです。
日本には法律で墓地以外のところに遺骨を埋めることが禁じられています。
ですから、遺骨をそのままの状態で葬送すると罰せられる可能性があるのです。
それもそのはずで、遺骨をそのまま自然に還してしまうと、第三者が発見して事件性があると勘違いする場合があります。
また、死体遺棄と取られかねないので遺骨は必ず粉末状にしてからでないと散骨してはいけません。
ただし、樹木葬であっても許可が得られている場所であれば遺骨のまま埋めることができます。
日本では岩手県にある祥雲寺が自然を活かした樹木葬として有名です。
自然のなかに遺骨を埋葬し、樹木を植えることができます。
第三者からの訴えには要注意!
散骨の場所は、遺骨を粉末状にしていれば特に場所は明確に決まっていません。
法律で明確な規定がないので、いわばグレーゾーンとも言えるのです。
ですから、たとえ粉末状にした遺骨であっても、場所によってはトラブルが起きる可能性があります。
たとえば、人が来ない海に散骨をしたあとで、じつは漁業関係者の活動範囲だったことが判明するケースがあります。
その場合、散骨が発覚すると「精神的苦痛」や「風評被害」などで民事訴訟を起こされる可能性も。
法律で罰せられる刑事訴訟ではないところがポイントです。
場所に気をつけないと、いくら自分たちが平気だと思って散骨をしても他人からすると許せない行為になりうるのです。
散骨をするときの注意点【まとめ】
あらためて、個人で散骨をするときの注意点をまとめておきます。
- ・散骨の場合には粉末状にすること
- ・遺骨のまま埋葬すると法律違反になる(例外あり)
- ・散骨の場所は、自分だけの判断で行わない
散骨は、故人や遺族の想いを実現する方法として、優れたやり方の1つです。
しかし、散骨をする人のモラルや知識不足が相次ぐと、散骨自体が禁止されることも有り得るのです。
ですから、散骨をする人はしっかりと事前確認をして、なるべく散骨業者に相談してみることをオススメします。
費用はかかりますが、トラブルもなく納得いく散骨をするために必要な方法ですので、ぜひ検討してみてください。