自分が生きているうちに行う葬式のことを「生前葬」といいます。
生前葬はまだ一般的ではありませんが、少しずつ行う人が増えている葬式のスタイルです。
生前葬には費用がいくらかかるのでしょうか?
また、生前葬のメリット・デメリットはどこにあるのでしょうか?
【目次】
自分の口から感謝を伝える生前葬
生前葬は、自分が元気なうちに葬式を行います。
自分を弔うという、一見すると不思議な葬式にも思えますが、まわりの人に自分の口から感謝を伝えられる機会です。
生前葬にはさまざまなスタイルがありますが、多くはパーティーに近い感覚で行われます。
葬式独特の「暗い雰囲気」がありません。
イメージとしてはお別れ会や偲ぶ会といった雰囲気です。
のちほどくわしく説明しますが、形式を自由に決められるので、自分に合った内容で行うことができます。
また、生前葬を行うと亡くなったあとの葬式は行わないのが一般的です。
そのため亡くなったあとは家族葬のようなかたちで小規模に行うことが多くなっています。
生前葬のメリットとは?
生前葬にはどんなメリットがあるのでしょうか?
1つずつ見ていきましょう。
- ・自分の口でまわりの人に感謝、お礼を伝えられる
- ・自由度が高いので、好きな葬式ができる
- ・亡くなったあとの遺族の葬儀負担がなくなる
- ・内容によって費用を安く抑えられる
自分の口でまわりの人に感謝、お礼を伝えられる
通常の葬式のときには、もうすでに自分は存在しません。
家族や親族、仕事関係者などに想いを伝えようにも伝えられません。
しかし、生前葬であれば自分がお世話になった人を招いて自分の口から感謝・御礼を伝えることができます。
これは生前葬にしかないメリットです。
自由度が高いので、好きな葬式ができる
さきほど説明したように、生前葬は一般的な葬式に比べて自由度が高いのが特徴です。
乾杯やスピーチ、催し物(ビンゴなど)、カラオケ、プレゼント贈呈などさまざま。
亡くなったあとの葬式では決して出来ないような内容で行えるので、自分の希望に沿った葬式を行えます。
もちろん、しめやかに行うことも可能です。
なかには自分が棺に入ってお焼香と供花を受ける生前葬もあります。
自由度の高さは生前葬の大きなメリットといえます。
亡くなったあとの遺族の葬儀負担がなくなる
生前葬を行う理由として多いのが「残った家族の負担をなくしたい」というものです。
生前葬を行うと、基本的に亡くなったあとの葬式は行いません。
ですから、家族の負担が軽減します。
葬儀を行う場合には参列者を招かない家族葬を行うことが多いのが特徴です。
内容によって費用を安く抑えられる
内容を自由に決められるので、費用を節約することも可能です。
参列者を招いて一般葬をしたいけど、費用はかけたくない。
そんなときに生前葬であれば費用を安くできる可能性があります。
生前葬のデメリットとは?
メリットが多い生前葬ですが、デメリットも少なくありません。
どのようなデメリットがあるか、欠かさず確認しておきましょう。
- ・一般的ではないため、参列者の理解を得られないことも
- ・事前に親族に伝えて、理解を得ておく必要がある(トラブル回避)
- ・気持ちの整理がつかないことがある
一般的ではないため、参列者の理解を得られないことも
生前葬はまだ一般的ではありません。
そのため「まだ生きているのに葬儀をするなんて…」と感じる人もいます。
親族の理解を得ておく必要がある(トラブルを防ぐ)
生前葬は、一般的な葬式以上にまわりの人への配慮が必要です。
とくに親族には事前にしっかり伝えて理解を得ないと、あとでトラブルになる可能性もあります。
気持ちの整理がつかないことがある
いざ行なってみるとなかなか気持ちの整理ができないこともあります。
やってみないとわからないことも多いですが、事前にしっかり計画を立てておきましょう。
生前葬の費用はどれくらい?
つぎに、生前葬に必要な費用について見ていきましょう。
生前葬はさまざまなケースがあるため、明確な相場というものが存在しません。
費用を安くもできますし、大きな規模でやれば当然費用は高くなります。
小規模な生前葬であれば、30万円前後で行うことも可能です。
このあたりは、葬儀社と相談して決めていくのが理想といえるでしょう。
また、もし生前葬を行うのであれば参列者に周知しておきたいことがあります。
- ・香典は必要か不要か
- ・どのような内容の生前葬なのか
- ・参加時の服装
- ・亡くなったあとの葬式について
普通の葬儀ではないので、参列者が戸惑うことがあります。
もし生前葬を行う場合には、できるだけくわしく説明を行うようにしましょう。
生前葬はメリット・デメリットをしっかり理解しておけば、満足度の高い葬儀となります。
葬儀社へ相談して、早いうちに計画を立てておきたいですね。